ファミレス「ジョイフル熊本御領店」元店長、1か月152時間の時間外労働や代表取締役からの暴言でうつ病発症 会社相手に4890万円の損害賠償請求

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職場の人間関係トラブルニュース

 長時間労働とパワハラで発病して働けなくなったとして、ファミリーレストランの全国チェーン「ジョイフル」(大分市)の元店長の男性(42)が9日、同社や子会社などを相手取って、熊本地裁に4890万円の賠償を求める損害賠償請求訴訟を起こした。

 提訴後に記者会見した弁護団によると、男性は2021年1月、熊本御領店(熊本市東区)の店長に就任。長時間労働や直接の上司に当たる子会社「ジョイフル西九州」の代表取締役から「新人の方がよっぽど仕事している」「史上最低の店長だ」などと怒鳴られたことで、8月にうつ病で働けなくなった。熊本労働基準監督署は未払いの残業について是正勧告し、1カ月100時間の時間外労働や13日連続の勤務がうつ病の引き金になったと労災認定した。男性はそれ以外の長時間労働やパワハラについても賠償を求めたが拒絶されたため、提訴したという。

ジョイフル元店長、「史上最低」怒鳴られ病気に 損害賠償求め提訴:朝日新聞デジタル
長時間労働とパワハラで発病して働けなくなったとして、ファミリーレストランの全国チェーン「ジョイフル」(大分市)の元店長の男性(42)が9日、同社や子会社などを相手取って、熊本地裁に4890万円の賠償…

また、別の報道によりますと長時間勤務の理由は慢性的な人手不足であり7月14日から8月12日の1か月間の時間外労働は152時間であったとのこと。さらに「店が汚いのは、お前の管理不足だ」とどなりつけられたことなどが公表されています。店長であった男性は今年の4月に退職したとのことです。

株式会社ジョイフル西九州の代表取締役社長は江田 慎一氏とのことです。

株式会社ジョイフル西九州の会社情報と与信管理 | NIKKEI COMPASS - 日本経済新聞

こういった報道がされた時に思うのは、取締役社長からの暴言や過酷な労働環境の中で店長だった男性はかなり辛い思いをしながら勤務を続けていたのだろうという事。その辛さから逃げ出すために最悪の事態にまではならなくて良かったと心から思います。

そして逆に想像するのは、この男性は果して店長としての能力が十分にあったのかということです。どこの職場でも能力に乏しいまま店長や上司の責を任されることはあります。そういった場合上司だけでなく部下からも侮蔑的な扱いをされてしまうことがあります。これはもちろんこの男性の責任ではなく店長に任命した上司または取締役社長の判断の間違いによるものです。

店長が不在となった際に次の店長を決めなければなりませんが、小規模な店舗の場合には従業員も少ないためにその職場である程度長期に勤務していたものやなかでも年長者とかを能力を十分に見極めずに店長職に据えることがあります。

そして上司や社長は従業員の人手不足や職場での問題発生を店長にすべて補わせておけば良いと考えることがあります。実際、人手不足で店長が長時間の時間外労働を強いられていて、それが分かっていても黙認されることはよくあります。

そうしたなかでさらに職場に環境的な問題や人間関係のトラブルが起きた際によほど処理能力に長けた人材でない限り解決していくのは難しい状況に陥ってしまうのです。

今回の事案では取締役社長または上司により任命されたこの男性が店長をしての十分な能力があったのか、その判断とその後の問題発生に対して十分なフォローをせずすべて店長の責任にして暴言などで攻め立てたことにより男性が精神を病んでしまったことが大きな問題です。

店長経験の長い立場から言わせてもらえば、上司や職場の従業員の方々は店長だからすべての問題を解決して当然と思わないで頂きたいと思います。

昨今の人手不足や人間関係のトラブル、コロナや地方都市の人口減少に伴う売り上げの減少など飲食店やサービス業が抱える問題は多くあります。それを店長のみに解決させようとしている上司や社長がいるなら、彼らの方が能力に乏しくその役職にはふさわしくないと言わざるを得ません。

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